D.Gray-man



「アレンは俺のこと一体なんだと思ってるんさ!」
「・・・」
 ラビの怒声にアレンは言葉が返せなかった。
「女の子が顔に傷作るんじゃない!」



怒ってる?


「らび?」
 ぱちくり。
 いつもは優しい彼が珍しく激昂して怒りを露にしていたのが、アレンにとっては新鮮で。
 だから謝るタイミングを逃してしまった。
 怒声にびっくりしたアレンは目をいっぱいに見開いてラビを見つめた。

 見ているというよりは観察している視線で見守っていれば、ラビは激情に肩で呼吸をして、息を切らせていた。
 そして自分が叫んだ言葉に、気まずそうに視線を逸らせた。

 しまった。という表情がありありと浮かんでいたラビの様子を見守り、アレンはラビの表情をもっと見ようと近付く。
「らび」
「…」
「怒っているんですか?」
「怒ってなんかない」
 アレンには。
 ラビからの返答にアレンは困った表情を表した。言葉と表情が一致してない。
「じゃあなんでそんなに眉間に皺を寄せているんですか?」
 アレンはラビの眉間の皺を撫でようと手を伸ばしたら逆に掴まれてしまう。
 その手を逃さないように。
「ら・・・び?」
「アレンのキレイな顔にこれ以上傷が増えたら俺泣きたくなるさ」
 ラビはそう言って子供のように3才も年下の少女に抱きついた。

 硝煙の中に混じる血の匂いと、かすかに残る洗髪剤の匂い。
 最後の洗髪剤の匂いでアレンがここにいるということをラビが自覚すると、無意識に腕に力がこもった。

「ラビ・・・苦しいです・・・」
「我慢するさ。俺を怒らせた罰」
「・・・やっぱり怒ってたんですね・・・」
「アレンにじゃない。自分に怒ってるんさ」

 外の霧は晴れない。
 ラビの心の中身を映すかのように。









 





「2.怒ってる?」を題材に。ラビはあれですよ、アレンを守れなかった自分に怒ってるの!そうなのです。

戦場を舞台に。
短いぐらいがちょうど良い。

 

 

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