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やばいと思った時には既に遅かった。それが普通。
視界は真っ暗だったから貧血なのは分かった。以前にも血の流しすぎて倒れたことはあるから。師匠との生活の中での借金取りに追われた、お先真っ暗でないだけマシだというもの。
そんな時でも起死回生は忘れなかったからここまで生き残ってこれたが(大袈裟)。
「…」
床が冷たくて気持ちいいな。依然首から上はグラグラして吐き気さえ催してはいたが。
アレンは床に寝そべりながらそんなことをぼんやりと思ったいた。
このまま倒れたままではいけないと思うが、多分今の自分では一人で立ち上がることは出来ない。せめてこの眩暈が治まるまで倒れたままでいるのが得策だなんて考えたのは何度も貧血や空腹で倒れているから。
我ながらちょっと軟弱だなとアレンは思った。
「アレン!?」
そんな時に限って、通りかかる人が知り合いだったりすると、アレンは誤魔化そうとして大抵失敗する。
前回はリナリーとリーバーが通りかかり、部屋まで運ばれた記憶が急によみがえってきた。
「ラビ・・・どうしたんです?任務じゃなかったんですか?」
アレンの記憶の中では今日はまだ任務の最中の筈。
その人物が何故教団に戻ってきているのか疑問だ。
「ああ。任務中断。アクマが何故か一瞬にして消えちまったから、イノセンスだけ回収して終わって来た。んで、何寝転んでいるんさ?」
アレンが必死に話題を逸らそうとしたが、ラビには通用しなかったらしい。
「・・・まあちょっと頭を冷やそうかと思いまして」
軽く笑って本来の理由は話さずに。
「ふーん・・・」
どう思ったかはアレンには分からないが、出来れば悟られたくなかった。
「けど冷やすんだったら何も廊下の真ん中で寝てなくてもいいと思うさ?」
なあ?
にっこり深い笑みを向け、ラビはアレンに手を差し出した。
「・・・」
アレンはその手を取るべきか一瞬だけ躊躇ってしまったものの、逆に取らないのは理由が本当のものではないことを知られてしまう。
「そうですね」
結局手を伸ばしてラビの手の上に乗せた。
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