D.Gray-man


秘めコイ 番外編3




 このお話は全くパラレルです。


















































 白と黒の出会い
 



 数日後。
 ラビが言った言葉に驚いてしまったのはそれを初めて聞いたから。
「アレン、今日は家にお客が来るから。俺の友人だけど」
「分かりました。おもてなしはどうなさいますか?」
 お客様?
 アレンはどんな人がくるんだろうと想像を巡らせた。ラビの友人ということでやはりきさくな人だろうか?それともちょっと年配の人だろうか?とか。とかくラビやブックマンの交友関係は謎だらけで、まだ日も浅いアレンに取っては未知の世界だった。
「お茶とせんべいがあればそれだけでいいさ。どっちも先日届いた荷物の中に入っている筈だから開けて取説読んでおいて。ミランダも今日は来れるって連絡あったからお茶の煎れ方は教えてもらってな」
 聞き慣れない説明に、アレンは目を丸くした。ラビはどちらかといえば紅茶派だったから、わざわざ来客の為に取り寄せるという品物があったのが不思議で。

 しかし『せんべい』とはなんだろう?

「お茶とセンベイ?紅茶じゃないってことですか?」
 それはその来客の為だけに外国から取り寄せたということだ。
「ああ。日本人なんだ。生粋のな。だからそっちの方が喜ぶと思ってさ。アイツが来る時だけはそれにしてるから」
 よろしくな。アレン。

「はい。分かりました」
 ラビがそこまでするのだから、余程気に入ってる人物ということなのだろう。
 アレンはそう考えて来客人を心待ちにしながら準備を進めた。

 暫くして彼はやってきた。
「おいそこの白いの」
「はい?」
 いきなり声をかけられて、それは自分のことか?とアレンは周りを見渡してから自分の事か確認した。
 アレンは確かに白髪っぽい髪の色だったからそういう呼び方もあるかもしれないが、ちょっと傷付いた。けれどここは笑顔で応対することにする。今玄関先にいるのは確かに自分一人だった。
「お前以外に誰もいねぇだろが」
「・・・はぁ。すみません」
 振り向けば黒のイメージの彼が立っていた。アレンと同じように細身で美人さんだが、声で『男』なのはすぐ分かった。しかし目つきは鋭く、アレンはその視線で射殺される恐怖にビクビクしながら彼の言葉を待った。
「馬鹿兎はいるか?」
「・・・バカウサギ?えぇと・・・ラビ坊ちゃまでしたら中に居りますよ。あ、神田サマですか?」
 いきなりな物言いにアレはたじたじだったし、唖然とした。あまりにもラビとは正反対の性格だからだ。人を寄せつけない視線と物言い。これが本当にラビの友人なのだろうか?疑わしくなってきた。
「・・・?お前誰だ?見かけない顔だな」
 しかしアレンの問いに答えない彼は今アレンの存在を見たかの台詞を返してきた。脱力しながらアレンは答えざるを得なかった。何しろ今自分はブックマン家の下働きの存在。誰であろうとお客には丁重におもてなしをしなければならないとミランダからも教わっていた。
「先月からここで住み込みで働かせて貰ってます」
 言いながら深々と頭を垂れたアレンに彼は関心が薄い。
「そうか。邪魔するぞ」
「あっ、ご案内します」
 神田らしき人物はアレンの言葉も半ば無視してどんどん扉に進んで行く。
 アレンは慌てて先に回り込むと玄関の扉戸を開けて神田らしき人物を招き入れた。

「あら、お久しぶりです。神田様」
 中ではエントランスの窓ふきをしていたミランダが居て、彼に声をかけて来た。ミランダはここで働き始めてから結構経つから彼を知っているらしい。
「ああ。ラビはいつもの部屋か?」
「ええ。伝えてきますのでこちらの客間でお待ち下さい」
 ミランダの案内した部屋に神田が入って行くとアレンは肩に入っていた力を抜いた。
「どうしたの?」
 それを認めたミランダが見て声をかけてきた。
「やっぱ神田サマだったんですね・・・」
「そうなの。彼特徴的だから一度見たら忘れないわよ。あら、アレンちゃん。汗びっしょりね。大丈夫?」
「大丈夫です。あ、僕お茶とお茶菓子準備してきます」
「ええ。お願い」
 ミランダはラビを呼びに行った後、アレンはキッチンに向かう。
 神田に見られていた所為だけではないだろうが、ミランダの指摘どおりアレンの身体は汗だくになっていた。

 ラビを呼んで来て部屋から出てきたミランダがアレンの姿を見つけて呼び止めた。
「あ。アレンちゃん後は私がやるから良いわ」
「でもミランダさん・・・」
「ね?洗濯物を干したら後は昼まで時間があるから休んでいて?顔色が悪いわ」
 ミランダはカートを押して行こうとするアレンの手をやんわりと止めた。アレンは彼女の言葉に諦めてカートから手を離した。顔色のことを出されては反論出来ない。
 アレン自身自覚し出していたから。
「・・・ありがとうございます」
 確かに今の自分では汗だらけでラビ達に不審がられると思ったアレンはミランダにお茶だしを任せることにした。実際、汗が引いてきた途端寒気がして来てしょうがない。
「とりあえず先に洗濯物干そう・・・」
 着替えるのはその後でも出来ると、アレンは一つくしゃみをして、仕事を優先することにした。





 終り
 
 

 

「不健康」のまま
暫く続きます(ぇえ)

 

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