D.Gray-man


すとれいしーぷ、強引に押し切られそうになる。




 このお話は全くパラレルです。






アレンが15歳で中学三年生(しかも♀)










ラビと神田は高校三年生









リナリーは高校一年生です。













 

 アレンの件を聞き、いてもたってもいられなくなったのだろうラビがおもむろにパジャマを脱ぎだした。
「おいっ何をしている!?」
 それを見ていた神田は声を荒げたのだが、ラビはお構いなしに着替えを続ける。
「決まっているさ!アレンの病院に行くんだ!」
 外に出て行く為の格好に着替える。とても先ほどまで高熱で寝ていたとは思えない素早さで。
「馬鹿か!おまえが行ってどうなるってもんじゃねぇだろ!」
「そんなん行って見ないとわかんねぇだろ!!」
「だからおまえは馬鹿だってんだ!」
「馬鹿だから馬鹿なりに考えての行動さ!文句あっかよ!」
 ただ闇雲に動いたってアレンの傷が癒えるわけではない。
 けれどラビは、神田が持って来た情報にじっとしていられない衝動で行動していた。

 あの少女が傷つく所を想像したら。

「ねぇよ。あぁっくそっ・・・俺も行くからな」
「・・・?あぁ」
 ラビの素直な行動が神田には羨ましいとは思ったが、それは決して口に出されない。
 こんな時、口下手な神田は損をしているのだということを知るのは本人以外の者達。
「その辺でおまえがぶっ倒れられても後味悪ぃんだよ」
「ユウ・・・さんきゅ」
「・・・その名前で呼ぶなって言ってんだろ!」

 いつものやりとりと着替えが終わり、二人はアレンが収容されている病院へ向かった。




すとれいしーぷ、強引に押し切られそうになる。




 何もアレンの不運は今に始まったことではなく、生まれてこのかた物心つく頃には『自分は我慢する星の元に生まれてきたのかもしれない』と思い始めて早十余年。
 我慢を覚えるのも生活環境の所為もあってか早かった。
 何しろ実の親の下で生活していたのはほんの数ヶ月だったらしく、生後数ヵ月の頃にはへその緒と一緒に孤児院の前に置き去りにされた。
 だが、はなから親子の縁を切る(へその緒と一緒に置き去りにされた)つもりで孤児院に置かれたアレンの境遇を悲しむ者は残念ながら孤児院には存在しなかった。その孤児院があまり評判がよくなかったので有名だったとアレンの親は知っていたかどうかわからないが。

 しかし、ある日アレンが孤児院から逃げ出した。

 その本当の理由は誰も知らない。マナと出会ったのもそこから逃げ出して2〜3日後。
 今にも死にかけ寸前のところをマナが拾い、保護してくれた。(その時ばかりは運が良いとアレンは数年後思い出した。)

 けれど決して楽な生活が出来るわけではなく、世界中を働きながら旅して歩いてたマナに拾われたアレンはジリ貧生活を強いられた。しかしマナとも死に別れることになり(残念だがアレンにはその時の記憶がないが、何が起こったのかはクロスやコムイが知っているらしい)今度はマナと知り合いだと言う、クロス・マリアンという人物の保護の元で最低限の衣食住が保証されていた。
 
 そのクロス・マリアンもアレンが中学に入学するのを境に旅に出ると一言残して行方をくらませてしまった。
 最低限の生活費は、毎月銀行口座に振り込まれているから、どこかで元気にやっているとは伺い知れた。アレンにとってはそれだけで十分だ。何しろ文句ひとつも言わずに学校まで居れてくれているのだから。勿体無い位。

「でも無事で良かった・・・」
「はい」
 散々説教された後、リナリーは涙を拭いて笑顔を見せてくれた。
「コムイ兄さんも、リーバーさんも皆心配していたわ。怪我の状態も思っていたより酷くならなくて・・・」
 リナリーの口からラビや神田の名前は出されなかった。
 それもその筈で、休み明けの今日事件のことを話したばかりだから。
「はい。ご迷惑かけました。すみません」
「そこは謝るところじゃないわ。『ありがとう』でしょ?」
「・・・はい。ありがとうございます」
 実のところ、暴漢?に襲われた直後までは記憶がしっかりしているのだが、その後の記憶がすっぱりと抜け落ちているのだ。
 その事をリナリーに話すべきか迷うが、アレンは今口を開くタイミングをつかめないで居る。
 おそらく彼女はアレンを気遣って、事件の詳細を聞いてきたりしないだろうから。

 それに事件の話をしても嫌な気持ちにさせるだけだ。
 アレンはリナリーにそんな思いをさせたくはなかった。

「にしても最低な奴らね。女の子の顔に傷つけるなんて」
「・・・そういえば左眼見えないんですけど、眼帯ですか?」
 これ?
「・・・ううん。ちょっと目の周囲を切られちゃったんだって。あっでも傷は残らないって。そういえば目が覚めたらお医者さん呼ぶよう言われていたのよね。」
 そういえば左腕も何やら包帯が巻かれていて左眼に触れない。だから、眼帯か包帯が巻かれているのかよくわからなかったが、リナリーの説明で納得出来た。
 これは包帯だ。少しだけこめかみを締め付ける布の感触が今感じ取れた。
「僕、どのくらい寝ていたんですか?」
 傍らではリナリーがナースコールをしていた。
 アレンは頭上にいるリナリーを見上げてその脇にカレンダーがあるのを知った。

「うーんと・・・事件が遭ったのは休みの前の日だから、かれこれ3日間かしら?」
「!?三日も!?っ・・・」
「まだ起きちゃだめよ!傷口開いちゃうわ!」
 意識不明だった日数を聞き、アレンはさすがに驚いて飛び上がろうと身体を起こしかけたが、さすがに傷は癒えていなかった。
 それにリナリーに止められてそれは断念した。

「でも学校・・・」
「何バカなこと言っているの!こんな状態で学校に行けるわけないのよ?」
 大怪我なんだから!
 アレン君自分の状況わかってないでしょ!
「・・・ごめんなさい」

 彼女の剣幕に、アレンはタジタジになりつつベッドに戻ることにした。

「それにまだ検査が残っているから暫く入院よ」
「ぇー・・・」
 アレンはいよいよ音を上げそうな表情でリナリーを見上げた。
「そんな顔したってダメよ。コムイ兄さんだって許すはずないもの。検査次第で早く退院出来るんだから我慢しなさい!」
 リナリーは退院したとしても今のアレンでは学校までたどり着けないのを知っているがそこは黙っておく。
「うぅ・・・」
 アレンはここ暫く安泰した生活を送っていただけに、凹んだ。
 なんというか、ついていない。

 幸福の因果律というものを考えて見るとアレンの場合少しどころがすごくアクシデントが多いように見受けられると言ったのは誰だったか。

 しかしアレンにとっての災難はまだまだ続くことになる。





 
 
 続く  

 

 

 アレン君の境遇が・・・どっかで似たものに。。。ぐは。

 

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