D.Gray-man


遅れてやってきたHalloween(3)




 ラビは鎚に乗り、アレンの向かった任務先に向かいながら教団を出る直前の会話を思い出していた。


『言っておくけど何も大元帥の命令だけじゃ僕はアレン君をわざわざ行かせたりしなかったよ。一応ファインダーからの連絡で、アレン君が適していると思ったから行かせたまでだ』
 コムイは一応フォローをするようにラビに話した。
『解ってるって』
『ラビ、アレン君をお願いね?』
 リナリーは鎚に乗ろうとするラビにそう言った。
『リナリー?』
『お願い。…なんだか胸騒ぎがするの…』
 その表情があまりに必死だったからラビはどう反応していいか解らず戸惑う。
 ラビは彼女の言葉に黙って頷き返し、鎚に飛び乗った。


「…ティムキャンピーも早くアレンの所に行きたいか?」
 ラビの頭に掴まったままのティムキャンピーは喋らない。けれど先ほど教団内で一時だけ狂ったように飛び回っていたのを思い出す。
 リナリーの勘は今まで外れたことが滅多にないから、言葉の意味をラビは考える。
 アレンの身に危機が迫っているということ。

「俺が着くまで無事でいろよ、アレン」
 自分に出来るのは急いで駆けつける事と、信じても居ない神に祈る事だけ。

 ラビはアレンを思いながらイノセンスを発動させ続けた。





 ラビが教団を出る少し前。
 アレン達は目的地に着いていた。ファインダーが閉じ込められたという街に。

 時刻は深夜に差し掛かっていた。
 空には半月が浮かび、周りには星が煌めく。雲も殆どない空は明るく、瓦礫の街に入っても視界は良好だった。

 しかしそこは瓦礫の山と化していて、とても人が生存していそうな雰囲気では無かった。

「ウォーカーさん。あの湖の淵に小さな洞窟があります。皆はそこです」
 案内役のファインダー「サリ」が瓦礫の中にぽっかりと開けた場所を指し示していた。
 街の観光名所なのかもしれない、その湖だけはAKUMAの攻撃からは逃れられていて、その向こうに見えた洞窟がアレンの視界に入った。視界に入る湖は月夜の下、ささやかな光を湖面にたたえていた。
 その場所だけやけにキレイな状態が、アレンには気になったが。
 
「…解りました。貴方は念のためここで待っていて下さい。」
 アレンはファインダーの彼をその場で待つように言い、走りだす。
「いえ、私も行きます!AKUMAの攻撃の無いルートを知ってますので!」
「え?ちょっ…危ないですよ!」
 しかし彼はアレンを追いかけて来た。確かに彼の言い分から察するとそのルートで向かった方がいいのかもしれない。けれどもまたおかしいことをアレンが気付いた。
「こちらです!ウォーカーさん」
 些細な違和感を考え込んでいる間にいつの間にか彼が先に立ってアレンを誘導していて、考える所ではなくなってしまった。
 仕方ないと割り切ることにして、アレンは彼について走る。

「この道を真っすぐ行けば洞窟の真上に出ます」
「洞窟の真上?」
 おかしい。
 アレンはますます違和感を濃くして、彼の背中と真っすぐ前を見つめた。
 街に入ってからAKUMAに一体も会わないのは、彼の言う通りルートになっているから?
 AKUMAと遭遇したのは街に入る直前にLv.1とLv.2の一体のみ。その時の激しい戦闘でさっそく団服に穴をあけてしまったがアレンにとってはイノセンスのある左腕が無事ならいいという感覚なのでさして気にしなかった。
「ウォーカーさん?どうしました?」
「…おかしい」
 そもそもAKUMAだらけと聞いていたのに、こんなに見晴しのいい場所で何故襲ってこないのだろうか?と。
 アレンは立ち止まり、サリが訝し気に覗き込んで来るのを黙って眺めていた。
 数百メートル四方の感知機能を持つアレンの左目も今は静かなまま。
 だから余計違和感が募る。
「AKUMAが他の場所に移動したか、それとも…」
「それとも、何ですか?」
 サリの顔が間近にあったと同時に感じたのは腹部に熱い何かが入り込んできたこと。
「ぇ?」


 
 続く・・・>>4

長アレンの左目の進化とか団服の強度とかいっぱいつっこみどころ満載?

 

 

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