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水の中。
ゆらゆらと漂いながら、アレンは湖に落ちる直前の事を思い出していた。
『ああ・・・僕、刺されたんだ・・・』
不思議な事に教団内の人間で味方である筈の彼に攻撃を受けたアレンの心情は穏やかなものだった。もしくは諦めていたのかもしれないが。
アレン自身、教団の人全てに受け入れて貰ったとは信じていなかったから。
彼に何か理由があったとしても「エクソシストのアレン・ウォーカー」を殺して良い理由にはならない。
しかし彼は「エクソシストのアレン・ウォーカー」を殺そうとした。アレンが無意識に身体をずらしていた所為で急所は外れたが、重傷であることには違いない。
ゆらゆら。
アレンは何をするわけでもなく、水に溶け込んでいく己の血液の色を眺めて水底に沈んで行く。薄まった血の色が水面に向かって昇って行く。
『同じ血の色なのに』
赤い血液は人間である証拠なのに、彼等はアレンを信じていなかった。
アレンだって心の底から彼らを信用してはいないのだから、おあいこだ。
ただ表面上、必要なやり取りはあるだけで。
『でも『サリ』を責める気にはならないんだよね…不思議と』
『アレンは優し過ぎるんさ…』
ふと朱色の髪を持つ彼の言葉がアレンの耳元で蘇る。
思い出したらなんとなく笑えた。
彼はあの、人を食わない笑みで自分を見るのだ。
『またラビ達に叱られちゃうな…』
味方のファインダーに殺されかけたと知ったらきっと同情よりも叱咤が飛んで来るだろう。
優しいのはラビ達だ、とはアレンは言えなかった。
・・・そして>>4
へ続く
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