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「なんとか始末したな・・・おーい、アレン何やってるんさ?」
「何ってイノセンスの回収ですよ」
一番手にアクマを壊したアレンが本棚でごそごそと何かやっていたのを見つけたラビは近寄る。
何故か左手を使わず右手だけで格闘していたアレンを見兼ねてラビは手伝った。
イノセンスの入っていた箱は両手でないと開かないタイプのもの。
「無理すんなさ。左手、あんま動かないんだろ?」
ラビが箱からイノセンスを取り出し、アレンはそれを眺めていたらそんな言葉が彼から振られた。
「・・・大丈夫ですよ。大した痛みはないですし」
元より左腕は痛覚とか鈍いんです。
アレンはそう言って力なく笑ってみせた。ラビは黙ってそれを見つめてからにこりと笑い返した。
「アレンは嘘つくのが下手だな。じゃあこれはユウに預けることにするさ?」
「・・・そうですね。そうしましょう」
責任感の一番強い神田にそれを預けることにして最後のアクマを探す事にした。
「ほい、ユウ」
ラビの声にちょうどいいタイミングでやってきた神田の手にそれは収まった。
どうやら彼はアクマを追って隣の部屋に移動していたらしい。
「なんだ、これは?」
神田は手のひらに乗せられたイノセンスを見つめて、むすっとした表情だ。
「?イノセンスに決まってるっしょ?」
「そうですよ、神田。何寝ぼけたような台詞を」
イノセンス回収第一優先だった神田がそんなことを言うなんて珍しくてラビとアレンの目が驚きに変わった。
「だからなんで取り出したお前らが持たないんだ?」
「俺今日は『落とす日』だからパスさぁ。これ以上何か持ったら落としそうなんさ」
それでなくとも『鎚』をしょっちゅう落とす身としてはその役目は別に任せられるなら任せたいのが本音。ある意味責任転嫁に見られなくも無いが。
「チッ・・・モヤシは?」
神田の視線がラビからアレンへ向けられた。
アレンのコートは先ほどのアクマの攻撃で無いに等しかった。辛うじてあるのはフードのみ。
「僕のコート、ポケットまでぼろぼろなので役に立てそうにありませんし。あ、ティム・キャンピー!」
そこへやって来たのは今までどこを飛んでいたのかティム・キャンピーの姿。先ほど行方不明になっていたアレンの元にも何故か辿りつけず、ずっと屋敷内を飛び回っていたらしい。アレンを見つけると安心したのかその頭のてっぺんに身体を落ち着けた。
「お前ら揃って役立たずかっっ!使えねぇ!!」
二人とも神田に押し付けることになったが、わざとでは無い。神田がこめかみを引きつらせて叫び声を上げた。
その頃、子供部屋の隅で泣いていた子供の声。
「イタイよう」
「いつまで泣いてるつもり?いくら自分の分身3体が壊されたからってお前自身に影響ないじゃん?」
もう一人の子供の声が泣いている子供に声をかける。
「でも・・・」
「あーあ。イノセンスも取られちゃったし、別にいんだけどさ。お前用済みね」
「え?」
泣いている子供の顔が一層歪んだ。
「死にたくなかったらテキトーに戦えば?エクソシストとね」
「そんな・・・じゃあママには・・・」
「あんなの信じていたの?バカだね、お前」
あれは嘘だよ。いくらエクソシストを倒してもお前のママには会えないよ。
お前のイレモノになっちゃったんだから。
子供の残酷な言葉に、泣いていた子供は一瞬の思考停止の後、悲鳴をあげた。
続く→10へ
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