D.Gray-man


アナタと僕の距離(5)




 再会





「くそっ・・・なんでこんなに湧いてくるんさ」
 アクマはどこからか、無数に集まってきていた。まるで数時間前の数が復活したのと同じ現象の数。中には見覚えのあるアクマも存在していた。
 神田とはいつのまにか逸れていた。けれどお互いゴーレムを持っているので位置は後で確認が出来る。
「いい加減しつこいさあ!」
 ラビは必死に鎚をふるう。時折軸がぶれて身体がふらつくがこの際構っていられなかった。
 とにかく早く本部に戻る為に、一秒でも早くアクマを倒して、壊して、この街から出たかった。

 早くアレンに会いたかった。ただそれだけの理由。

 けれどそんなラビも疲れが生じて隙が出来る。アクマはそこを狙って来た。
 鎚を振るうも間に合わない距離でアクマが迫る。
「!?」
〈危ない!〉
 しかしその声がどこからか聞こえて来た時、目の前がまばゆい光で覆われ、目の前に迫っていたはずのアクマは消えていた。
 ラビが閃光が消えたのを確認して目を開けるとそこに立っていた思いがけない人物に一瞬呼吸さえ止まった。

「はれ?・・・あれ・・・ん?」

 目の前にラビが焦がれてやまない人物がイノセンスを発動させた姿で立っていたのだ。

 ラビが間抜けにも声が出せないまま惚けていると、相手は今しがたした行動に自分で驚いていた。
〈あれ?僕なんで?〉
 アレンが目の前の光景に疑問を覚えたのは当然。
 医務室にいた筈の自分が、神田とラビが向かった筈の任務先に立っていて、目の前には心底では心配していたラビの姿があった。
「アレンーか?」
〈ラビ!?〉
 近寄って、手を伸ばせばその身体は捕まえる・・・ことは出来なかった。
〈実体じゃないのは僕の方みたいです〉
「みたいさね」
 その身体は透けていて、ラビにも捕まえることは出来なかったけれど。
〈これは・・・夢なんでしょうか?〉
「それはこっちが訊きたいなー。けどもし、夢だとしたらなんてリアルな夢だと思うさ?」
 それに実体のないアレンがよくアクマを倒せたのかも不思議だ。事実目の前で今戦っていた相手が消えたのだから、イノセンスのお陰だと思えば納得出来た。
〈リアルな・・・ラビ…はもしかしてまだこの地に?〉
 やたらぼろぼろなのはアクマどもがしつこいからだとアレンも推測出来て。胸が痛くなった。
 きっと知らぬ間にいっぱい怪我をしたのだろう。
「ああ。思ったよりアクマが多くて、正直参ったさ」
〈こんな怪我して・・・痛そうです〉
 手を伸ばしても触れることは出来なかったけれど、共感することは出来たから。
「たいしたことないって、心配性さね、アレンは」
 ラビも触れられはしなかったけど、アレンの手が自分を癒してくれているのが分かった。
 微笑み、安心させることしか今は出来ないが。
〈好きな人の心配しちゃいけないんですか!〉
 けれど、逆に怒鳴られてしまう。
「うんにゃ。嬉しいんよ。けど心配かけたくないのも事実だから言いたくなったんさ」
〈ラビ・・・のバカっ!〉
「そんなバカでもアレンは好きで居てくれるっしょ?」
〈そうですね。僕もバカですから〉

 好きだから、理屈では処理出来ない感情。



 




 続く→6へ
 
 

 

わりとなんでも有りそうなDグレの世界(笑)

 

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