D.Gray-man


アナタと僕の距離(6)




 夜明け





「向こうに神田もいるんさ。とにかく合流しようと思ってる」
 アレンのお陰であらかたの数が減った。けれどまたいつあの数のアクマが現れるか分からない。
〈そうですか。けど変ですね。ラビに倒された筈のアクマが再び現れるなんて普通じゃないですよ〉
 途中、ラビの指摘があって、アレンが考え込んだ。
「んー俺の見間違いかもしんないし、あまり深く考えないことにするさー。けどアレンが来てくれて助かったのは良しとして、お前の今の状態ってヤバくねぇ?」
 刺さった鎚を地面から抜き出し、大きさを調整するラビ。アレンは左目の能力を発動させたままなので、ラビにもアクマか人間かの区別はついた。最もこの街の人間は逃げ出したか、アクマにされたかのどちらか。現在ラビ達二人の前に現れたのは全てアクマ。
〈ヤバい・・・ですか?〉
「本来肉体と精神が長い時間離れてるってのは良くないことだかんな」
 それはブックマンの知識らしい。
〈良くないこと・・・ですか〉
 アレンは認識が薄い。
〈分かりました。でももう少しだけ一緒にいさせて下さい〉
 上目遣いで切なげな瞳を向けられたらどうして嫌といえようか。いや無いだろう。
 ラビも例に漏れない男だった。
「ううーん・・・分かったさ。けどユウと合流するまでだかんな?」
〈はいっありがとうございます。ラビ!〉
 ラビの譲歩に、アレンは目を輝かせて喜びを露にした。



 朝日が差し込んできた頃、二人はやっと神田と合流出来た。
 神田と合流してラビはどうやらアレンが自分以外見えていないことに気付いた。
「ユウが霊感ゼロってのには驚いたな」
〈神田は僕の事嫌いだから見えないのかもしれませんよ?〉
 神田が向こうで<何故か>怒りのオーラを振りまいていたが、二人は気にしない事にした。アレンの声が聞こえるわけでもないのに、そんな反応を見せるのは地獄耳を持っているのかもしれなかった。
 ラビはそれよりも今のアレンの発言が気になった。
「アレンはユウに嫌われていると思っているん?」
〈ええそりゃもう。あんな態度取られたら誰でも思うことじゃないですか〉
「まあ・・・普通はそうだろな・・・」
 普通なら。神田の態度はアレンの言う通りに『嫌い』の部類。けれど神田はちょっとどころか酷く捻くれた態度を取るのを長い付き合いで熟知しているラビだからこそ、アレンの認識は間違っていると知っているが。
『まさかあいつのアレが正反対の意味だなんて知らない方がいいさね』
〈どうかしましたか、ラビ?〉
「いや、なんでもないさ。じゃあ作戦会議と行きますか」
 ラビはライバルを増やさない為にも敢えて誤解を解く事はしなかった。




 




 続く→7へ
 
 

 

アレン、乙女

 

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