出会いは偶然か必然か 1
神田が組んだという新人のエクソシストは最年少だという噂。
教団にはもっと幼い頃からいた子供は大勢いたけれど、それはエクソシストと呼べる程訓練を受けても居なかったし、教団が認めなかったから。
教団に呼ばれていた名前は『適合者』。
「なぁなぁユウ、いいじゃんか」
「しつこい。それと名前で呼ぶな。三枚に下ろされたいか?」
「下ろされたくはないんだけどさ。なんで新人のそいつの事訊くだけなのに目くじら立てちゃってんの。いつものユウなら無表情にだけど話してくれるじゃん?」
アレンと神田が任務を終わらせた後、神田が教団に戻って来たのはちょうどアレンが任務に出かけた直後の事で。ラビも長い間任務に赴いていて、神田の戻って来た直後にやっと帰り着いたのだ。
なんてうまいタイミングで会えないんだろうとラビは嘆いて、同じ任務地に出向いたという神田に新人の詳細を訊く事にした。
彼はいつものように食堂で『ザル蕎麦』を食していて、その光景はもはや見なれたものだった。
中々口を割らない彼から聞き出せた情報は、
モヤシであること。
子供だということ(ここら辺は15歳という年齢上そのままだったが)。
意外に根性があること。
自己犠牲精神を持ち合わせているから直ぐ死ぬだろうと言う事。
の4つ程度。
その中でもラビの耳に残ったのは神田のその言葉。
「あいつは赤の他人の為に、自分を簡単に切り売り出来る奴だ。あの分だったらあっという間にあの世行きだぞ」
酷く面白くなさそうに話す神田にラビは目を丸くした。
例えどんな新人が入団して来ようが、神田の対応は粗雑だったし、相手の心配もしなかった。
しかし台詞からは『心配する』言葉が含まれていて、心底ラビを驚かせた。
あのユウの感情を動かす人間が居たなんて。
会うのが楽しみになって来た、とラビは笑った。
どんな奴なんだろうかと。
「早くそいつに会って見たいさー」
「はぁ?何馬鹿なこと言ってんだ?あんなのに関わったらこっちまで奴の持つ『呪い』のとばっちり受けるぜ」
「え?『呪い』持ちなん?へー珍しい〜」
よく門番が通したなぁー?
「・・・父親かららしいぜ。何でも父親をAKUMAにしたってな」
「ふーん。別に珍しい話じゃないさ?」
ただその新人がエクソシストというのが珍しいだけで。
「そうだな、よくある話だ」
神田はそう言うとこれ以上の会話はしないつもりだったらしい。そのまま食べ終えた食器を持ち上げ食堂を出て行った。
「でもあのユウをねぇ…」
ラビはそんな神田の背中を見送りながら呟いた。
>>To Be Continued
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