出会いは偶然か必然か 2
ラビはコムイとブックマンが話している間にリナリーと、新人の病室を訪れていた。
目当ての新人=アレンは眠りについていた。
思いがけない形で会ってみたい人物と対面することになったのはラビも予想していなかった。それもこれもブックマンがクロス元帥の護衛兼追跡の班に自ら申し出ることになったから。ラビはその班にその渦中の人物が居るとは思っていなかっただけに、聞いた時は驚き半分喜んでもいた。
顔を見て、理解した。彼がつけたあだ名の意味を。
「モヤシねぇ…本当に白いけど…」
神田の言うあだ名も意外に的を得ているようだ。神田の国の言葉で「萌やし」という植物の通り白い。セネガル語では「モヤシ」では発音が違うが『俺の女』だと言う。彼はセネガル語は知らないだろうが。
「ユウの方が痩せているイメージなんだけどなぁ。でも服着ているから解らんか」
病院の方で粗方手当をされていて、服もきっちり着せられていたから肉付きの程など判断出来なかった。ましてや布団に包まれているのでは。
「瞳の色は何色なんかな?」
依然眠り続けているアレンはラビの独り言にも反応を見せない。重傷だったから無理もない。
しかも今左目は傷を受けたのだろうガーゼが当てられていて無事なのは右目だけ。
さすがに痛々しいので瞼をあげてみる気は起きなかった。
代わりに他の部位でも調べようと、いろいろアレンを観察していたらティムがラビに噛み付いて来た。
「でぇーっっ!?」
「あれ?」
コムイはそこへちょうどやって来て、ティムがラビの手に齧り着いているのを目撃した。
「…何やってるんだい、ラビ」
「んー…ちょっと確認?」
ティムはいっぱしの保護者気取りなのか、更にアレンに触れようとするラビを強く噛む。
「ふむ?ティムキャンピーはあのクロスの作ったゴーレムだからね。普通のゴーレムと一緒にしない方がいいよ。アレン君のおもりしているみたいだし」
コムイはティムの行動の意を知っているらしく、そんな台詞が返ってきてラビは苦笑するしかなかった。
しかもかなり引きつった笑み。
「お守り?へ…へぇ」
それは初めに言っておいて欲しいとラビは思ったが口に出せなかった。
コムイは持参した荷物の中からヘルメットなどを取り出し始めた。これからアレンの治療が始まるらしい。
「ラビ、アレン君の治療するから君は見張り役ね」
「へいへい」
依然ティムに齧りつかれたままのラビは出入り口へ向かう。それと同時にティムも離れてアレンの眠っている枕元に戻って行った。
「随分変わったゴーレムさ…」
まるでわが子を守る親のようだと、ラビは思った。
治療が始まる直前、アレンが目を覚ましラビは成り行き上自己紹介をすることになった。
「…ラビっすハジメマシテ」
「…はじめまして」
アレンは『?』という表情だ。そりゃそうだろう。
けれど瞳の色は初めてみる銀灰色。ラビはそれをとても綺麗だと思った。顔を初めて見た時も美人さんだなとは思っていたが。
アレンの瞳の色を初めて見て、ラビはにっこり微笑んだ。
目を開けているのといないのとでは印象が変わる。それも綺麗なものだと思った。
>>To Be Continued
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