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このお話は全くパラレルです。
アレンが15歳で中学三年生(しかも♀)
↓
ラビと神田は高校三年生 ↓
出てないけどリナリーは高校一年生です。
↓
飛び込むは大海か底なし沼か?
いや、オオカミか。
「たっ助けて下さい!追われてるんです!!」
いきなり目の前に飛び込んで来た美少女はラビと視線が合うなり胸に飛び込んで来た。
「 おおっとぉ!?」
ラビは飛び込んできた美少女をちゃっかり抱きしめた。来るものは拒まずのラビは目に飛び込んで来た少女の身体を分析し、自分好みの容姿と身体であることに幸運を噛み締めた。一瞬目があった時左の頬の痣が気にはなったが、ラビも片目に眼帯をしていたから他人の身体的に問題なものにはこだわらない。
ストライク?!
少女は余程恐い思いでもしたのかラビの胸に縋りついたまま離れようとしないから、その細い身体の割には豊かな胸がラビの身体に押し付けられていて、理性を揺らがせる。しかしこんな公衆の面前でイケナイことをするつもりはさらさらない(その辺だけは常識人だったらしい)。
「えーと・・・大丈夫・・・じゃないな。誰に追われてるの?」
知らない人?
「しっ知らない男の人です!いきなり目が合ったと思ったら・・・髪振り乱して叫びながら走って来たんです」
ガタガタと小さな肩が震えていて、ラビは不謹慎にも「女の子ってやっぱ可愛いさー」などと思ってしまった。自分の胸の位置では少女が銀灰色の髪(染めているのかラビには知らなかったけれど)を震わせて依然縋付いていたけれど。
「知らない奴か・・・じゃあちょっとこっち入るさ?」
「え?・・・」
ラビはちょうど目の前にあった喫茶店のドアを押して入り、少女を招き入れた。
「でっでも・・・」
喫茶店のドアには『CLOSED』のプレートが掛かっている。
「いいから。ここ俺の知り合いがやってるサ店だからさ」
店内は落ち着いた雰囲気でところどころにアンティーク調の装飾品がおかれていた。
店長の趣味なのか中は暗いが、とても安らぐ。こんなときでもなければ、だが。
「で、どんな奴だったか分かる?」
ラビは少女を店内の一番奥まで連れてきて座らせると向い合せに座った。もともと狭くこじんまりとした店内だったので入り口から二人は丸見えだったが。まだマスターは店に降りて来てないようだった。
まさか店内に連れ込まれるとは想像してなかった少女は戸惑い、視線を彷徨わせながらラビの問いに答える。
「えーと・・・髪は黒くて・・・長くて後ろで一つに縛ってました。中国かアジア系の人だったと思うんですが、僕よりは背が高くて」
「うーん・・・特徴的ていえばそうだな・・・後覚えていることは?」
黒髪だけならこの国では珍しくは無い。だが長髪となると的が絞られてくるだろう。
今ラビが住んでいる地域は外国人の集まる地域だから。
「そうですね・・・凄い目をカッと見開いて死にものぐるいで追いかけて来た事くらいですかね?」
一瞬ラビの脳裏に見知った人物が浮かんだが、そんなはずは無いと慌てて隅に追いやった。
「そっか、じゃあ・・・こっちに来たら分かるかな?えーと・・・」
ラビは少女の名前を呼ぼうとしてまだ知らない事に気付いた。少女を指差しかけ、引っ込める。少女もラビの意図を察して微笑んだ。
「アレンです。アレン・ウォーカー。市立中学に通ってます」
「アレン。俺はラビ・・・ってええ!?アレンて中学生!?」
ラビはその名前を反芻して少女の笑みに『可愛いなぁ』と見とれて暫く。数十秒後アレンが中学生だということに驚きを露にした。てっきり高校生だとばかり思っていたのに。
「ええ。一応まだ15歳ですもん。僕。」
アレンの言葉にラビは改めてアレンの制服を見、事実に打ち拉がれた。確かに彼女が着ているのは市立中学の制服。
まるでロリコンさ、俺。いやいやでも中学3年だから、そんなに歳離れているワケじゃないし、別に問題ないさ?
守備範囲が下は10歳から上は40歳までとやたら広いくせにアレンが中学生と聞いて、手を出す訳には行かないと考える。手を出す基準は高校生以上らしい。
「・・・そっか・・・15歳ね・・・納得」
しかし身体の方は立派に大人っぽいストライクゾーンだったなぁ。などと不埒な想像をラビはして、窓の外へ視線を移す。その向こうに見知った姿が立ち止まって何かを探しているのを見つけた。
「あれ?アイツなにやってんだ?」
「ラビ?」
偶然かアレンからは反対に位置しているので彼の姿は見えない。振り向きでもしない限り。
「悪い、ちょっと待ってて」
「えっ・・・あぁっ!?」
ラビはその行動が気になって、店を飛び出して行った。
「おぉい、ユウ」
ラビに『ユウ』と呼び止められた彼は呼ばれて髪を振り乱し、目をカッと見開いて振り向いた。
「・・・っ!?ラビか・・・」
「・・・あー・・・」
毎回、思わず引いてしまうのはもはや習性だ。
アレンの言う奴もこんな感じかな?
ラビはユウに近付くといまだに周囲をキョロキョロと見渡している彼に訊ねた。
『ユウ』は喫茶店の入り口の真ん前で左右を見渡しているからすごく目立つ。
「どしたんさ?なんか探しもの?お前が此所まで来るの珍しいな」
彼の住んでいる所はこちらとは正反対。むしろ電車で正反対と言った方がいいくらいだ。
「お前には関係ないことだ。下の名前で呼ぶなっていつも言ってんだろ!」
「あーへいへい。カンダ」
わざと厭味たらしく上の姓で呼ぶと今度は反応がない。だからラビは下の名前で呼ぶのだが。
「んで何を探しているの?その様子だと人?」
「・・・銀髪の女がこっちにこなかったか?」
ラビの質問はてっきりはぐらかされると思っていたが、今回は返ってきた。それは余程必死に探しているということか。
まさかアレンの事じゃないよな?
神田の口から『銀髪』の言葉が出て来て、ラビは一瞬神田を疑った。まさかアレンをストーカーしている人物が彼とは疑いたくない。アレンには悪いが。
まさか・・・ね。
「うんにゃ。見てないさ」
「もういい。俺は帰る」
「あそ。んじゃね」
「ああ」
どうせ明日も学校だ。学校に行けば神田ユウには嫌でも顔を合わせることになる。
ラビは神田の探している人物がアレンでない事を祈りながら店内に戻った。あの他人に全く関心を持たない彼が人を探しているだなんて天変地異もいいところだ。
「あれ?いつの間にそっちに行ってたんさ?」
ラビは席に戻ってみると居ない少女を反対方向のカウンター内で見つけて驚いた。マスターが騒動に降りてきていてラビを見て渋い顔をしていたが、苦笑して誤魔化した。
しかし少女は『ユウ』がまだ近くに居ないか確認をしている。
「おーい、どしたんさ?」
「あの人・・・です・・」
僕を追って来たの。
「へっ!?ユウが!?何でまた!」
他に道を横切った人間は居なかった。
少女のこわごわという表情に、ラビは見事予感が的中して、明日彼に問いつめなければと考えた。
「知りません!!それを訊きたいのは僕の方です!!」
アレンは憤りと困惑を露にして叫んだ。確かにこの場合アレンは被害者だ。怒るのも無理はない。
「・・・悪かった。アレンはアイツを知らないんだもんな。そんな怒るのも無理ないさ。いきなり追いかけられたんだし」
ラビはアレンを宥めるように下手にでた。
そりゃ、ユウにあの形相で追っかけられたら誰だって逃げ出すだろうな。あの顔俺だって恐いし。
「あ・・・ご免なさい。怒鳴ったりして・・・ラビはあの人の知り合いなんですね」
アレンはラビの表情を見て、慌てて謝った。ラビに怒るのは筋違いだと気付いた。助けてもらっておいて失礼だ、と。
「うん。知り合いつか、友人。幼なじみなんさ」
「っ、ごっご免なさい。ラビにご迷惑かけちゃいましたね。今日のことは忘れて下さって構いませんから!」
幼なじみという言葉にアレンは酷く反応を見せて、いきなり立ち上がり立ち去ろうとした。
ラビはそんなアレンを慌てて引き止める。
「待て!待てって!アレンが気にすることじゃないさ?幼なじみだからってそれとこれとは別だろ!」
「でも、僕の所為であの人とラビとが喧嘩なんかしたら迷惑かけちゃいます!ていうか既にかけてるみたいだし!」
ラビに手首をしっかり掴まれているのでアレンはそれ以上逃げることが出来ない。
「大丈夫だぁって!アイツにもなんか事情あるかもしんないし!俺がそれとなく聞き出しておくから!アレンが心配することないって!!」
な?
ラビは意外に頑だった。アレンもそれにはさすがに閉口して、彼を見返した。普通、そこまで強く言ってくれる人間はアレンの前には現れなかった。だからラビが意外すぎて。
「本当ですか?」
「俺、嘘はつかないさ。ジョークは言うけどさ。だから信じて?」
ニッと歯を見せた片目の少年は、酷く人懐っこい笑みをアレンに向けていた。
それはどこか郷愁にも似た感覚をアレンの胸に浮かび上がらせた。
「僕・・・どこかでアナタと会ったこと、ないですか?」
「へ?アレンと?」
俺って口説かれてる?いや最近の女子中学生は積極的さぁ。
ラビは初対面の筈の少女をまじまじと見、やはり記憶にないことを告げる。だって銀灰色の髪なんて一度見たら忘れない。とラビは自分の記憶力の自慢を胸の内でしてみる。
すると少女は何かを思い出しているようだ。ぶつぶつとラビには聞き取れないぐらいの声で一人呟いている。
「・・・じゃあ・・・3年以上前・・・?」
「アレン?」
何かを思い出そうとしている様のアレンは少し暗い表情だった。だから思わず『大丈夫か?』などと声をかけてしまう。
「あ・・・何でもないです。すみません・・・」
アレンも思い出せないのだろう、『何か』を。 ラビの『送る』言葉にも『近くですから大丈夫です』と言い、一人で帰っていった。
神田に喧嘩を売らないよう、それとなく訊く。そんなことラビにとっては朝飯前だ。
そして昨日アレンに連絡先を訊くのを忘れた事に気付いたが、既にアレンは帰った後。
ま、アレンは近くに住んでいるみたいだからその内会えるっしょ。
ラビは楽観的に考えて、いつものように登校した。
あと数カ月でこの高校ともおさらばで、付属私立高校に通うラビにとってはいささかつまらない。受験戦争もないし、あとは大学のみ。大学も同じ敷地内にあるので通うのには不便しなかったが。神田も同様ラビと同じ大学に進むことが決まっていた。学科は違うが。
ラビは先に早々と登校していた神田の姿を見つけ真っ先に声をかける。
「朝から随分ご機嫌だな」
「ユウは反対に不機嫌さね?そういやユウちゃん、昨日探していた女の子は見つかったんか?」
「下の名で呼ぶな!あいにくあの後探したが見つからなかった・・・また今日行ってみるつもりだ」
早速不機嫌のオーラがラビにも見え出したが、そんなのはいつものことだ。軽くあしらってそのオーラを横に流す事にする。
「何?その子、ユウに何かしたの?やけに絡んでんじゃん。全然知らない奴なんだろ?」
ラビはここで茶化したら喧嘩越しに彼がなるのを知っているからいつもと口調をかえている。
「全然知らない奴じゃない・・・向こうは知らないだろうが」
「・・・へぇ」
ラビに返って来たのは想像とは全く逆のもので。
どうやら神田はアレンに一目惚れしたらしい。ラビの見ている前で、神田の顔が真っ赤なトマトのように熟れてしまったのをみたら、そう思わない方が不思議だろう。
「・・・で?」
「初め見かけた時は変な格好だと思って、毎日目がいくようになってな。いつの間にか気になっていて・・・り、リナリーに相談したら『告白してみたら?』てことになって、思いきって校門で待ち伏せしていて出てきた所で声を掛けたら逃げられた」
「それで追いかけた、と?」
神田は我ながら何故ラビに話しているのだろうと思ったが、ラビはこう見えても信用は置ける奴だと思ったから神田は話すだけ話した。
「ああ。随分逃げ続けて、気付いたらお前の家の前にいた」
ユウ、それストーカーじゃん。
そうです。神田はストーカーでした。ってアレンに言えるわけないっしょ?一応コイツは俺の『幼なじみ』って教えたんだし。おーい神田ユウさんアナタ女性への告白になんつーことをかましちゃってるんですかってアレンは俺のだから、ダメ。ユウには渡せないさ。
短い間にラビの脳内ではノンブレス的台詞が誰に言うでもなく繰り広げられていた。
そして自分がアレンを気に入っていることを自覚した。いつもの自分ならとっくに口説いていたのに、彼女との遭遇が異種だったから、そこまで行かなかった。
「ラビ・・・どうした?」
「・・・ユウ、いくらなんでも初対面にそれはマズイさ」
神田の声にラビは我に返った。さすがに常識を教えてやらねばと教えてみる。こういった方面ではラビは何枚も上手だったし、経験も豊富だ。だが神田は全くと言って良い程異性にも興味を持たないから変だとは思っていたが。まさかそんな常識すら欠けていたとは、親友としても見逃す訳にはいかない。神田は見た目が綺麗だからそれ目当てに寄って来る女性も多いが(何しろ校内だけでなく校外でもファンクラブがあるくらいだ。ラビにもそれは同じだったが)、本人は全くそういった関連に無頓着だったから今の今まで彼女は作らなかった。
「そ、そうか?」
「そうさ!女性ってのはなあデリケートなんよ!いきなり初対面の異性にどこまでも追いかけられたら誰だって引くさ!」
「そういうモノか?」
今度は些か引き気味なのは神田。ラビの剣幕が余程仰々しいかったらしい。
確かにラビは女性を口説くことにかけて力を入れているだろうが、これほどリキむとは。
「そう言うモンなの!女性を甘くみちゃ行けません!」
「・・・どっちなんだよ・・・」
ラビの言い方は女性を甘くもあり、辛くもあるというものだった(神田側からみた見解のようだ)。
「へー。じゃあその子とは電車で初めて?」
「ああ。帰りの時間は分からないが、行きだけはほぼ一緒だ。駅は俺より先に乗っている所からみて2、3駅前からじゃないか?」
「ふーん・・・」
結局ラビは神田の恋愛相談を訊いてやっていた。(ほぼ無理矢理だったが)そしてその会話の中で分かったことが一つ。
ってことはアレンは嘘ついたってことさ?
神田の家とラビの家は電車で駅を2つは挟む程距離があった。
けれどアレンは昨日の別れ際に『近く』に住んでいるということをラビに告げて立ち去った。
その意味は?
あの子のことだから逆に気を遣ったとか?
十分あり得る話だった。ラビと神田が友人だと知ってアレンは酷く狼狽えていた。きっとあの少女は他人への気の遣い方が下手だろうから。
「ユウ」
「なんだ?」
「俺も今日付き合っていい?」
但し、告白はなしな、今日。
「・・・は?」
ラビの言葉に目を丸くした神田がそこに居たのだった。
続く >>2
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