D.Gray-man


オオカミヒョウに待ち伏せされたすとれいしーぷ




 このお話は全くパラレルです。






アレンが15歳で中学三年生(しかも♀)










ラビと神田は高校三年生









出てないけどリナリーは高校一年生です。





え?しつこいですか?




はい続きものになりました。
比内様、謝々


 
オオカミヒョウに待ち伏せされたすとれいしーぷ

 

 アレン・ウォーカー。公立高校の受験を控えた市立中学3年生。
 アレンは変った容姿のおかげで災難に遭うのは日常茶飯事だ。
 養い親の都合で学校を転々とした為か、一つの場所に長居をせず、逆に陰湿な苛めに遭うことは今まで無かったが、アレンが中学校に入学して数ヵ月後、姿をくらます。以後3年になる今まで姿を見せたことはない。
 その前にもちょくちょく不在がちだったこともあってアレンは既にその生活に慣れてしまっていた。

 そして今日もアレンの気分は最悪だった。
 朝からチカンには遭うわ(しかし暫くして背後で悲鳴が上がりチカンが消えた)、登校早々、生活指導の教師にイヤミを言われるわ。もう少し我慢すればこの中学ともおさらば出来るがそれだけに割り切れないことも多かった。
 やっと一日の授業が終わり、特に部活も入っていないアレンはさっさと帰宅すべく席を立った。
 下駄箱の中に靴を収めて校門に向かおうとすると先に立っていた教師の声がかけられる。
「よ、アレン。今帰りか?」
「リーバー先生」
 リーバー・ウェンハムはアレンの通う中学の数学の教師だ。そして数少ないアレンの理解者でもある。養い親の知り合いということもあり、入学してから何かと助けてもらっている。
「お前も一人で大変だな。いい加減コムイ先輩の所で生活すればいいだろうに。通うのも大変だろ?」
「別に今さらですし。僕は気にしてないですよ。市立とは言え別地域からの入学許可を貰ってますからね」
 アレンが本来住んでいる地域は駅3つを挟んで、通っている中学からは少し遠すぎた。それには色々事情があったが、解決する術を持っている人間は現在行方不明。辛うじて月々の生活費だけは振り込まれているので今住んでいるアパートを出ずに助かっているが。
「そりゃ、俺とかコムイ先輩の知り合いでもあるし、出来れば知り合いが目に届く範囲に居た方がお前も安心だろう?」
「それは当然ですけど、別に僕はあの地域の中学でも良かったんですよ?」
「アレン」
 アレンは会話の通り、口利きで別の地域から通ってきていた。アレンは入学する前に渋りはしたものの、養い親には逆らえずにこちらに入学することになった。
「分かってます。あの地域の中学生のガラが悪いという噂は有名だし。現に僕も何度か絡まれてますから」
「やっぱりそうだったか。あれから怪我はないのか?」
 リーバーは入学当初、アレンが怪我をして欠席したことを思い出した。
 それから何度かそういうこともあって、アレンに声をかけて訊くことは彼の日課になっていた。
「・・・まあ幸い最初のうちだけでしたし・・・今は絡まれなくなりましたよ?」
 不思議と。という言葉は飲み込んだ。そういえば最近誰かに目をつけられるということが極端に少なくなったのをアレンは不思議に思ったのだが、余計な心配をかけたくないので黙っている。
「ならいいけどな。何かあったら言うんだぞ。力になれると思うから」
 アレンの最初のうちという言葉が気になったが、リーバーは深い詮索は止めた。
「ありがとうございます」
 リーバーの気遣いは嬉しく、アレンは微笑んだ。
「じゃあ気をつけて帰るんだぞ」
「はい」
 
 アレンが校門に向かって歩いていくと門に人だかりが出来ていた。
「?」
 しかしアレンは何かの野次馬に然程関心を示すことは無く素通りしようと歩く。暗くなる前に帰らなければ、また絡まれる。
 そういう危惧は常に付きまとう。
「だから、人待ちなんだって。悪いな」
「・・・」
 どこかで聞いたことのある声にアレンは昨日出会った青年を思い出す。しかしこんな所にいるとは考えられない。

 そういえば昨日の隻眼の人はカッコ良かったな。けどあの人が僕を追いかけてきた人と友達だったなんて、世の中って狭いや。
 
 アレンにとって昨日の青年は印象が強すぎて、直ぐ記憶から消えてくれそうになかった。

 けれど二度は会うまい。きっとあの人に迷惑がかかるだけ。

 そんなことを考えながら歩いていた所為だろう、背後から掛けられた声に気付いたのは校門を通り過ぎ、大分歩いてから。

「おーい、アレン!」
「?…えぇっ!?」
 アレンが呼ばれた声に校門の壁を振り返ると、そこに居たのは先日知り合ったばかりの高校生と、何故か先日自分を追って来ていた黒髪の高校生。
 それと共に校門に群がっていた視線がアレンに注がれることになる。
「なっなんで!?」
 アレンはここに何故彼等がいるのだろうと共に、向けられた視線に思わず逃げ出したくなった。
 こんな姿だから、人の目を酷く気にするアレンは注目されるのを怖がる。
 それを知らないラビと神田はアレンの様子がおかしいことに気付くが、駆け寄る前に少女は踵を返した。
「・・・ごめんなさい!!」
 耐えきれなくなって、アレンは逃げ出した。この場にある視線から逃れる為だけに。
「えあっ!?ちょっちょい待つさー!アぁレーン!!」
「チッ・・・おい通せ!!」
 対してラビと神田は野次馬に巻かれて思うようにアレンの元へ近付けない。
「アレン!待てって!」
「おいっ待ちやがれ!」
 やっとのことで野次馬の群れから抜け出した二人の高校生は全速力で駆け出した。しかしアレンの脚力は結構なもので最初にスタートダッシュを披露した少女に追い付けない。
「ユウ!そういう言い方したら逃げるって!おーい!怖がるなよぅ!」
 しかもご丁寧に神田は逃げている少女にヤーさん並の脅し言葉を投げ付けていたのでラビはちゃっかり嗜めた。
 アレンに告白しようとしていた男子は、どこかネジが抜けていた・・・のかもしれない。

 アレンが逃げた気持ちも分かる気がしてきたさ。

「うぉ…もしかして俺達よっか早いんじゃん?」
 ラビも体力には自信はあると自負していたが、男子高校生二人が全速力で追いかけても追い付かないアレンは相当なものだと返って感心してしまった。
「チッ…駅に着く前に先回りするぞ?」
「…うーん。仕方ないさね。じゃあユウ宜しく!」
「分かった。ドジるんじゃねぇぞ?」
 何故か本気で少女一人を男子二人が追いかける物々しさはどうだろうと思ったが、今日を逃したらアレンに逃げられ続けてしまう気がして、神田の提案に賛同することにした。
 神田が先回りの近道を横切って行ったのを見計らい、ラビは依然逃げ続けているアレンに聞こえるように声を出す。
「何で逃げるんさー?別に取って食おうなんて思ってないさ?」
「っどうでもいいじゃないですか!僕の勝手でしょう!」
 アレンは意固地に走り続けた。まるで何かに脅えてるのは先ほどの表情で分かった。
 けれどラビの問いに返答するのはまだ望みがあるのかもしれない。
「アレン〜待つさ!」
「っ・・・もう放っておいて下さい!」
 ラビはどうにかしてアレンの足を止められないか考えた。それがこの会話だ。声に耳を傾けることで走りに集中させない。
 体力と肺活量が無ければ出来ない技。
「アレン。昨日の件、アイツに謝らせるから!」
 神田は頷かないかもしれないが、無理矢理にでもさせるつもりでいる。アレンを怖がらせておいて威張っている(?)のはラビの気持ちが許さないらしい。神田にとって不本意ではあるだろうが。
「もういいですから!」
 なかなかどうしてアレンは頑固。昨日の印象どおり。
「ダメさーけじめはつけないと!・・・アレンっ!」
 よく走りながら喋られるものだと、傍から見ている者は思うかもしれない。
 ラビの声が急変したのをアレンが感じ取り、振り返る。
 しかし更に悲鳴に近い声がアレンの耳に入った。
「あっ!アレン前っ!」
「待て!」
「ぇっ!?」
 車は急に止まれない、しかし虫だって飛んで来てフロントガラスにぶつかるぐらいだから、人間だって止まれない。
 前方数メートルにいきなり出来た障害物を避けることが出来たらなんという反射神経の持ち主だろう。ギネスにだって載れるかもしれない。
 
「!!!」

 ラビの制止も空しく、先回りして来た神田とアレンは正面衝突をすることになった。



「チッ・・・」
「ユウちん、酷いさ・・・女の子にそんな暴力ふるっちゃいけません!て教えただろ!」
 ラビはアレンの身体を抱き起こしながら、神田に文句をたれた。神田も反動で後ろにのけぞったものの、構えていたお陰で大した怪我はしなかった。
「俺の所為かよ・・・つか教わってねぇ・・・」
 神田は意外という表情で、酷く面白く成さそうだ。当然だろう。止めた筈のアレンはすっかり気を失っていたのだから。
「うーん。この場合、ユウは分が悪いさね。何しろ相手は大男の捕り物じゃなく、少女ですから」
 アレンを横抱きにし、神田には罰としてラビとアレンの鞄持ちをさせることにした。
「大丈夫か?モヤシ?」
「は?もやし?もやしなんて持ってないさ?」
 そしていきなりのば神田発言にラビは戸惑う。

 モヤシ?モヤシとは白くて長っひょろいあのモヤシのことですか?

 ラビの脳内で数秒、そんな考えとインプットされていたモヤシが映像として浮かび上がった。
「チッ・・・そいつのことだ・・・」
 顎をしゃくって示したのはラビの腕に収まっていた銀灰色の髪を持つ少女。
「ああ。・・・モヤシねぇ・・・」
 ラビもこの時ばかりは神田のセンスに変に感服してしまった。

 どういう名付け方なんだか。

「軽い脳しんとうっしょ。けど念の為静かな所で休ませるかね」
「仕方ねぇな」
 ラビはアレンを抱き上げた役得を感じながらも、依然気を失ったままのアレンを運ぶことにした。
 神田も後をついていくのを忘れなかった。





 
 
 続く  >>3 
調子に乗って続き物です・・・

 

飛び込んだのはカエルではなくヒツジでした。
 さて次は誰を登場させますかね?

 

ブラウザは閉じて下さい