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このお話は全くパラレルです。
アレンが15歳で中学三年生(しかも♀)
↓
ラビと神田は高校三年生 ↓
リナリーは高校一年生です。
↓
紅と黒の獣、謎を深める。
「けれどちょっとの事でも知ってしまったのには変わりないよね?」
「「「?」」」
コムイの言葉は意味深で、三人がそれぞれの表情で今は中心人物の彼を見つめた。
「どういう意味さ」「どういう意味だ」「コムイ兄さん・・・」
いきなり重い空気に戻ってしまったかに思えたが、コムイは三人の若者の表情を確認すると途端に表情を柔らかいものへ変化させた。
「別に絶対口外しないでって言ってるわけじゃないよ。ただ、アレン君はあれで結構頑固だからね。人に同情されたりするのを嫌うし、普段どおり接するといいと思う」
コムイの言葉は意外な一言。
「同情だと?」
「まあアレンの性格はなんとなく読めるさ。ましてや事件からたった3年しか経ってないんじゃ・・・」
ラビはアレンの心の傷が癒えてはいないのだと推測していた。
「んで、その事件て犯人つかまったんか?」
そしてさり気に『事件』について聞き出そうとしていた。
事故ではなく、事件で、とリナリーが話したから。
「・・・それは・・・」
「・・・」
それは思いがけない言葉で、リナリーとコムイの二人は言葉を一時的に失った。
「『事件』ていうからには加害者がいるんだろ?もう死んでいるなんて言わないよな?」
「おい、ラビ・・・」
神田もラビのいつもと違う空気に気づいて声をかけてきたが、ラビは視線を兄妹から外そうとはしなかった。
何かを隠している、というのはラビにも分かったリナリーの口調とその態度。
アレンを初め見たときから気にはなっていたその容姿と頬の傷。
どうしても気になってしまったら自分でも止められなかった。
それに事件について何か必要以上に隠しているリナリーの態度に違和感を感じたから。
「・・・犯人は、まだ生きているよ」
「それは犯人はもう捕まっているってことさ?」
ラビの問いに答えたのは結局コムイだった。そしてラビは更に問う。その先にあるものを掴もうと。
自分の記憶しているものならば、探すのは容易いはずだった。
「・・・残念ながらその犯人は、捕まってない」
コムイの表情は先ほどとは違って引き締まった真摯なもの。
だからその言葉に嘘偽りがないことはその場の誰もが知り得た。
ラビはそれ以上の質問は止めた。
神田もいつにない雰囲気に飲み込まれ、いつも以上に無口のまま終わった。彼の場合、ラビに付き添ってやってきただけという感が否めなかった。
リナリーも兄コムイがそこまで話すとは思ってもいなかったが、不服はないらしい。
「過去よりも今が大変なんだけどね、アレン君にとっては」
「?」
コムイは準備室を退室する間際、意味深な言葉を残していった。
ラビはその言葉に更に謎を深めた。
神田は然程疑問に思うことなく、反対に納得した風な表情だったのが、ラビには気になった。
「なあ、ユウ」
「なんだバカ兎」
「バカってなにさー!バカって言う方がバカなんさ!それに俺兎じゃねぇ・・・ってそうじゃなくて!」
「?」
「アレンの事なんだけど、さっきのコムイの言葉さ・・・」
神田に思い切って尋ねてみると、意外な答え。
「ああ・・・それなら以前からあったみたいだぜ?」
痴漢とか、不良に絡まられたりとか。あの髪だから目立つんだろ。
「えぇ!?」
「最近はこれでも減った方だ」
ラビは神田でさえも知っていた事に落胆は隠せなかった。
リナリーはコムイと一緒に帰るべく、兄の帰り支度が終わるのを待っていた。
ふと、窓の外に先ほどの二人の姿が見えた。あれから直ぐ校舎を出たらしく、二人の後姿を見つめながら呟く。
「ねえ兄さん、本当にあれでよかったのかな?」
「んー・・・まだ彼らの気持ちが固まっていない現在、これ以上言ってもお互い混乱するだけだと思うし、リナリーの判断は正しいと思うよ」
「そうだよね・・・アレン君が事件の記憶を失っているなんて、言わなくて良かったのよね・・・」
ラビは事件の加害者を気にしていて、アレン側には気づいていない。
「・・・大事なのは今だからね。いずれ、彼らのどちらかがあの子を守る時になったらでも十分間に合うよ」
僕らが手を貸さなくても大丈夫さ。
「うん。そうね・・・でもアレン君の記憶が戻ったら、どうなっちゃうのかしら?3年も経っているけど、何がきっかけで思い出すか分からないのよ?」
「うーん・・・それはなんとも言えないね・・・」
出来ればあの辛い事件の記憶が戻らなければいいと思う。
リナリーとコムイは複雑な表情で白い髪をした少女を思い出した。
彼女は優し過ぎるから、これ以上傷ついて欲しくなかった。
続く >>9
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