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このお話は全くパラレルです。
アレンが15歳で中学三年生(しかも♀)
↓
ラビと神田は高校三年生 ↓
リナリーは高校一年生です。
↓
「にしても珍しいさね。ユウが手ぶらでこないなんて」
神田の両腕にかかっていたのはコンビニの買い物袋だった。
それは黙ってラビに差し出されたものだから、心底驚いたらしい。
「うるせえ。病人は黙っていろ!」
「容赦ないなぁ」
「そういえば、アレンは元気そうさ?」
朝は一緒の電車なんだろ?
「・・・・・・そのことなんだが・・・」
神田が口を開くと、いつもの無表情の中に眉根を寄せているのをラビは気づいた。
そもそもアレンとは病院によるという日からあってはいない。タイミングを逃したのかその次の日2日は学校が休みだったから。
「何があったんだ?!」
「・・・リナリーが今付き添っている筈なんだが・・・」
いつもはキビキビ話す神田の歯切れが悪いのに気づき、ラビは問い詰めた。
こちらもいつもとは違って強引に。
「さっさと話せよ!ユウ!」
「・・・」
ラビの表情が今までにみたことのないものだったからかどうかはわからないけれど、その気迫に神田は今日聞かされた事を話し始めた。
「俺もあいつから聞かされただけだから詳しくは知らなねぇがな・・・」
「何だって!?」
結果。アレンが暴漢らしき数人に襲われて怪我を負い、入院しているということを聞き出した。
すとれいしーぷ、夢をみる。
『−ちゃん、今日は何の本を読んでくれるの?』
『ん?今日は羊と狼のお話な。前言ってたリクエストの−・・・楽しみにしてたろ?』
『はいv』
(これは昔の夢?僕はいくつ?)
アレンが夢の中に自分の姿を見た。それはずっとずっとまだ小さかった頃。
彼女の傍にマナは居ない。なぜならまだマナに引き取られる前の記憶だから。
(それに僕が話している子供はダレ?)
アレンの隣で絵本を読んで聞かせている子供がいた。それは小さな自分より、幾分か背格好のある少年だった。二人ともくたびれた服を着ていることからまだ孤児院にいた頃の記憶だとアレンが夢の中でおぼろげに思い出していた。
しかし少年の表情は読めない。髪で目が見えないばかりか、俯いているのでせいぜい見えるのは口元だけ。
この記憶は少しだけど覚えている。
少年は唯一孤児院で優しくしてくれた人だったから。
けれどなぜだろう、思い出せない。少年の顔。自分は確かに一番身近にいたのに。
孤児院でお互い孤独を埋めあっていたのに。もっとも孤独という感情は幼すぎる自分達には理解できなかったけれど、今なら解る。
思い出そうとしている内に意識がぼやけてきた。今目の前にある過去の記憶も薄れていく。
無理にあがいたところで夢の記憶をとどめておくことはできないけれど、あがいてみた。
・・・やっぱり無駄だったけれど。
「アレン君!よかった、目がさめた?」
「・・・?」
いきなり夢から現実に戻されたアレンを呼ぶのは少女の切迫した声と嬉しそうな声。それはよく知っている声の主から発せられているのを知るのは瞼を押し上げた直後。
「り・・・ナリー?」
酷く心配した表情で今にも泣き出しそうだ。実際泣いていたのかもしれない。目じりに何かの跡が残っているばかりか、赤く充血した目がそれを如実に物語っている。
「どうしたんです?何かあったんですか?」
「っ!?」
相手が表情を変えた理由はアレンの言葉からだろう。しかし理由が掴めずアレンは首を傾げる。
「リナリー?」
何か怒らせるような事をしたのだろうか、とアレンは考えてみるが、目覚めたばかりの自分の頭ではなぜ自分がこの薬品の臭いのする場所にいるのかもわからない。
しかしこの場所は良く知っている。日ごろお世話になっている場所だから。先日も来たばかりだ。
そして考えている間に、リナリーが泣きそうな表情なのに怒りをアレンに見せてきた。しかしアレンには見当がつかない。
「『何かあったんですか?』じゃないわよ!だから前から言っていたのに!」
「???ぇ?」
「心配したんだから!!」
「・・・ぁあ!」
この時アレンは自分を恥ずかしく思った。
リナリーが泣いている原因が自分にあるということを漸く理解できたから。
そしてリナリーが泣いていた原因を思い出した。
先日帰りに自分の身の上に起きた出来事を。
「ごめん。リナリー」
「今更よ。本当にどれだけ心配したと思ってるのよ。許さないんだから」
「うん・・・」
結局リナリーはそのまま泣き出してしまい、アレンは何度目になるか判らない彼女のお叱りを受けることになる。
こうなったのもアレンの所為ばかりではなかったから理不尽なことではあったけれど、我慢するしかなかった。
その他に方法なんて知らなかったのだから。
続く >>11
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